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論文

破面解析による事故原因解明の事例,4; もんじゅにおける事故解析

和田 雄作

平成21年度日本金属学会関東支部講習会「破壊の原因を破面観察から探る」テキスト, p.6_1 - 6_6, 2009/09

高速増殖炉原型炉「もんじゅ」において、1995年12月、電気出力40%で性能試験を実施中に、2次主冷却系のナトリウムが漏えいする事故が発生した。この事故により約640kgのナトリウムが漏えいした。本講演では、事故の概要を紹介したうえで、漏えい部である配管内に挿入された温度計さや管の破損について、その原因究明の全体の流れを、破面解析が重要な位置を占めたことを実例として示しながら解説する。破損原因の究明は、破損した温度計さや管の材質検査と破面解析から進め、かなり高い周波数域での高サイクル疲労特有の組織・結晶依存型破面やき裂の停留らしき痕跡を確認するところが基本となる。一方、主冷却系配管内でのさや管の流力振動に対するコンピュータ解析も並行して進め、水流動試験の裏付けを得て、さや管に抗力方向への自励的な高い周波数の振動(インライン振動)が起こることを確認する。続いて、100%流量での流力振動によるさや管付け根段付き部の応力集中部における疲労き裂発生の評価,疲労き裂進展に対する数値解析と破面解析の照合による組織・結晶依存型破面やき裂停留の解明,き裂停留後の進展開始の駆動力や40%流量でのき裂進展の機構などの解析により、流力振動によるさや管の高サイクル疲労破損の過程を整理して示した。

論文

照射された低放射化フェライト鋼の引張強度特性-硬さの相関

安堂 正己; 若井 栄一; 谷川 博康; 川崎 泰

日本金属学会誌, 72(10), p.785 - 788, 2008/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.93(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

低放射化フェライト鋼F82H鋼は、核融合炉第一壁・ブランケット構造材料の第一候補材として開発が進められており、そのうち照射特性評価については、現在米国HFIR炉を用いた日米協力照射実験にて、重照射データの取得が行われているところである。取得されたデータの信頼性を高めるため、硬さ試験による破壊試験片ごとの照射挙動の確認や、イオン照射実験から得られる硬化挙動・ミクロ組織変化評価からの補間が必要となる。本報告では、これまでにF82H鋼を中心として実施したイオン照射材からの照射硬化挙動,HFIRやJMTR炉による引張試験・ビッカース硬さ試験の結果から、これらの相関関係について明らかにすることを目的とする。微小硬さ(H)-ビッカース硬さ(Hv)の対応については、熱処理条件を変化させたF82H鋼により相関関係が得られており、この結果より異なる照射場での硬さ変化の比較がある程度可能となった。また、引張特性については中性子照射材の結果より、引張強さ(UTS)はUTS=(3$$pm$$0.2)$$times$$Hvとして得られることが確認された。これらの結果より強度変化に対する照射量依存性,熱処理効果,ヘリウム効果等について評価した結果について報告する。

論文

低放射化フェライト鋼における介在物と衝撃特性に及ぼすエレクトロスラグ再溶解の影響

澤畠 篤司; 谷川 博康; 榎本 正人*

日本金属学会誌, 72(3), p.176 - 180, 2008/03

 被引用回数:14 パーセンタイル:59.37(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

核融合炉構造材料の第一候補材である低放射化フェライト鋼F82Hにおいては、鋼中にTa系酸化物,アルミナ、及びTa酸化物とアルミナの複合酸化物が形成されており、これらが衝撃特性に悪影響を及ぼしていることがわかりつつある。F82Hにとって不純物元素であるTiを低減し高純度化することで複合酸化物は減少させることが可能だが、Ta酸化物単体やアルミナといった介在物を完全に取り除くことは現行の溶解法(VIM)のみでは困難である。そこで、本研究では脱硫や非金属介在物の除去のため用いられている二次精錬方法のエレクトロスラグ再溶解(Electroslag Remelting: ESR)を施した鋼を溶製し、F82HにとってのESRの有効性と、酸化物が衝撃特性などの機械的特性に及ぼす影響を調査した。

論文

多重イオン同時照射による低放射化フェライト鋼の照射硬化促進

安堂 正己; 若井 栄一; 大久保 成彰; 荻原 寛之; 沢井 友次; 大貫 惣明*

日本金属学会誌, 71(12), p.1107 - 1111, 2007/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:13.06(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

低放射化フェライト鋼の高照射量でのヘリウム効果を評価するため、現在HFIR炉による中性子照射実験を進めている。低放射化フェライト鋼においては、ヘリウム効果の評価はニッケル・ボロン等の添加元素による方法が主となるが、添加元素の効果の影響のため、その評価は容易ではない。そこで、本研究では低放射化フェライト鋼F82H鋼の照射硬化に対するヘリウムの影響について、同時イオン照射実験により調べた。照射実験は、原子力機構高崎量子応用研究所のTIARA施設にて、540, 630Kにて40dpaまでの範囲で照射を行ったのち、微小硬さ測定を行った。その結果、F82H鋼の照射硬化が著しい630Kにてヘリウム同時照射を実施した場合、ヘリウム総注入量300appm程度では、損傷のみによる硬化量と同じであったが、総注入量3000appmでは、20%程度の硬化の促進が生じることがわかった。この結果から、ヘリウムは照射硬化が著しい条件においては、硬化への影響が小さいことがわかった。

論文

HFIR照射された低放射化フェライト鋼の照射下クリープ挙動

安堂 正己; 谷川 博康; 芝 清之; 實川 資朗; 幸野 豊*; 香山 晃*; Li, M.*; Stoller, R. E.*

日本金属学会誌, 71(7), p.559 - 562, 2007/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

本研究では、各種低放射化フェライト鋼の小型圧力管試験片を用い、5dpa, 300/500$$^{circ}$$CまでHFIRで照射された圧力管の径変化を測定することにより、照射下クリープデータの解析を行った。300$$^{circ}$$C, 5dpaにおいては、周応力と歪量の関係は各鋼類似の傾向となった。周応力300MPa以下までは、照射クリープ歪はほぼ一定の割合で増加した。また、より高い応力条件(400MPa)では、急激な歪量の増加が見られた。最も歪量が大きかったのは周応力400MPaのJLF-1鋼であり、0.24%となった。この原因のひとつとして、JLF-1鋼の照射前の強度が低かったことが考えられる。またボロン,マンガン添加材については、今回の条件では無添加鋼と比べて、特に顕著な相違は見られなかった。500$$^{circ}$$C, 5dpa照射材においては、高応力側の試験片は破損していたが、おおむね150MPa以下では周応力と歪の関係は直線関係にあることがわかった。

論文

Effect of helium and hydrogen production on irradiation hardening of F82H steel irradiated by ion beams

若井 栄一; 安堂 正己; 沢井 友次; 大貫 惣明*

Materials Transactions, 48(6), p.1427 - 1430, 2007/06

 被引用回数:7 パーセンタイル:45.38(Materials Science, Multidisciplinary)

F82H鋼の照射硬化に及ぼすヘリウムと水素の効果をTIARAイオン照射実験によって調べた。照射は500$$^{circ}$$Cにて50dpaまで、鉄とヘリウムの2重イオン同時照射又は、鉄とヘリウムと水素の3重イオン同時照射を行った。HeとHの注入比は15appm-He/dpa及び15(150)appm-H/dpaで行った。照射後、微小硬さ測定を行った結果、2重同時照射した試料では、18dpaで材料の軟化が観察され、50dpaで軟化から硬化に特性が転じることがわかった。また、3重イオン照射した試料の硬さは、2重イオン照射した場合より、硬化することがわかった。この効果は水素の量の増加に伴い、促進することがわかった。

論文

Effects of inclusions on fracture toughness of reduced-activation ferritic/martensitic F82H-IEA steels

谷川 博康; 澤畠 篤司; Sokolov, M. A.*; 榎本 正人*; Klueh, R. L.*; 香山 晃*

Materials Transactions, 48(3), p.570 - 573, 2007/03

 被引用回数:22 パーセンタイル:71.95(Materials Science, Multidisciplinary)

核融合炉構造材料の第一候補材料として期待される低放射化フェライト鋼は、照射後にも高い靱性を有することが求められる。本研究では、延性脆性遷移領域において散発的に低靱性を示す傾向のある低放射化フェライト鋼F82H IEAヒート材について、その要因と考えられる微細組織、及びその微細組織と靱性特性との相関について、特に介在物に着目して調査を行った。その結果、本来MX析出物の析出による耐熱性向上をねらって投入されたTaが、Ta酸化物あるいはアルミナとの複合介在物を形成し、その結果としてF82Hの靱性特性に影響を及ぼしている可能性が明らかになった。

論文

低放射化フェライト鋼の介在物形成に及ぼすTiの影響

澤畠 篤司; 谷川 博康; 芝 清之; 榎本 正人*

日本金属学会誌, 71(2), p.244 - 248, 2007/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:13.06(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

核融合炉用構造材料の第一候補材料である低放射化フェライト鋼F82Hの重要な課題の一つとして照射脆化の問題がある。現在、脱酸剤として添加したAlがTaと介在物を形成すること、介在物が靱性低下の原因となっていること、またTiが靭性低下を招くことが明らかになりつつある。そこでTiの靭性低下の原因と介在物形成との関係を調べるために、Tiをなるべく含んでいない高純度材と一般純度材のF82鋼を用いてシャルピー衝撃試験,微細組織観察・分析(FE-SEM)を行った。高純度材,低純度材ともにAl$$_{2}$$O$$_{3}$$とTa$$_{2}$$O$$_{5}$$の複合介在物, Al$$_{2}$$O$$_{3}$$を含まないTa$$_{2}$$O$$_{5}$$介在物が観察された。また、複合介在物のTa$$_{2}$$O$$_{5}$$部分にはTi, Vが含まれており、一般純度材の介在物は全体的にTiのEDSピークが高かった。また、高純度材には1$$mu$$m以下のTa$$_{2}$$O$$_{5}$$介在物が多く、一般純度材で多く見られた複合介在物はほとんどなかった。シャルピー衝撃特性は高純度(-64$$^{circ}$$C)が一般純度材(-16$$^{circ}$$C)よりも低いDBTTを示すことから、不純物元素であるTiの低減は複合介在物を減少と、良好な衝撃特性を得るには有効な手段であると考えられる。

論文

低放射化フェライト鋼のクリープ特性評価

中田 隼矢; 谷川 博康; 芝 清之; 駒崎 慎一*; 藤原 幹夫*; 幸野 豊*; 香山 晃*

日本金属学会誌, 71(2), p.239 - 243, 2007/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:33.15(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

本研究では、靱性の改善などを目的に製作されたF82H mod3について、靱性改善などの処理がクリープ強度へ及ぼす影響について検討を行った。F82H mod3のクリープ試験を行った結果、F82H IEA-heatと比べ、高応力短時間側の試験結果では著しい強度低下が認められた。これは、低放射化と高純度化の観点から窒素量を減じた(mod3:0.0014%, IEA-heat:0.0060%)ことが要因として考えられる。一方で、負荷応力を下げると破断時間が大幅に長時間側にシフトする傾向が確認された。この結果より、長時間側では両鋼の強度差はほとんどなくなるものと考えられる。両鋼の析出物を抽出残差法によって解析した結果、IEA-heatでは高温域の試験後に析出物が減少しているものの、mod3では析出物の量はほとんど変わらなかったことが確認された。これら、析出物とクリープ特性の関係について検討を行った。

論文

SCC支配因子研究の新展開

塚田 隆

日本金属学会セミナー「原子炉材料の照射損傷; 高経年化への対応」テキスト, p.47 - 56, 2006/11

応力腐食割れ(SCC)の発生・進展のメカニズムについては、従来の知見やモデルでは説明できない未解明の部分があり、現在もその解明に向けた調査・研究が続けられている。高経年化しつつある現行軽水炉さらにそのリプレース用次世代軽水炉の安全性・信頼性の確保・向上のために、SCC損傷メカニズムの解明に向けたSCC支配因子研究が重要となっている。ここでは、近年になり低炭素ステンレス鋼に発生したSCCを中心として、そのメカニズム解明のために行われているSCC支配因子研究について、特に最近適用の進んだ新しい分析・実験手法により得られた研究成果を紹介する。

論文

Tempering treatment effect on mechanical properties of F82H steel doped with boron and nitrogen

大久保 成彰; 若井 栄一; 松川 真吾; 谷川 博康; 沢井 友次; 實川 資朗; 大貫 惣明*

Materials Transactions, 46(8), p.1779 - 1782, 2005/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:16.26(Materials Science, Multidisciplinary)

核融合中性子照射がもたらす核変換生成Heと弾き出し損傷の影響を調べるために、B添加した鋼に核分裂炉照射を行う手法がしばしば用いられる。BをF82H鋼に添加すると、靭性が低下する場合があるが、BN化合物を形成するNを同時に添加(F82H+B+N)すること及び、熱処理条件の調整により、Bを添加しない場合と同様な特性とすることができた(前報)。ここでは、F82H+B+N材の引張特性,シャルピー衝撃特性、さらにイオン照射による硬化挙動について報告する。なお、照射硬化の評価には極微小硬さ試験機を用いた。シャルピー試験による延性-脆性遷移温度は、焼き戻し温度が750$$^{circ}$$C(30分)の場合、F82H鋼と同等で約-100$$^{circ}$$Cであったが、焼き戻し温度を低くすると約50$$^{circ}$$C上昇した。このとき、降伏応力も増加を示した。イオン照射による硬さ変化は、この損傷領域では焼き戻し温度によらずほぼ一定であり、これはF82H鋼の場合と同様である。以上のように、F82H+B+N材では、B単独添加やNi添加鋼の場合のような照射による顕著な硬化はみられなかったことから、核分裂炉照射によるHe効果の評価精度向上が期待できる。

論文

Heat treatment effects on microstructures and DBTT of F82H steel doped with boron and nitrogen

大久保 成彰; 若井 栄一; 松川 真吾*; 古谷 一幸; 谷川 博康; 實川 資朗

Materials Transactions, 46(2), p.193 - 195, 2005/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:16.26(Materials Science, Multidisciplinary)

核融合炉構造材料の第一候補材であるF82H鋼において核変換生成物であるHe原子の影響を評価することは重要である。HFIRやJMTR炉でこの影響を評価するための模擬試験材としてF82H鋼にB単独及びB+Nを同時添加した試料を作製した。無添加材と比較して、B単独添加材の靭性は低下したが、B+N同時添加材では低下しなかった。今回は、BとNの添加による靭性の変化と微細組織,結晶(旧オーステナイト)粒径及びB等の元素分布との相関関係を調べた。結晶粒径及び微細組織を評価するために組織観察及びTEM観察を行った。また、B等の元素分布を調べるためにTOF-SIMSによる面分析を行った。光学顕微鏡観察の結果、結晶粒径はB単独添加により増大したが、B+N同時添加では無添加材と同等であった。TEM観察の結果、B添加材中の炭化物のサイズは、他の試料より大きかった。SIMS測定の結果、B添加材では粒界への顕著な局在化が生じ、B+N同時添加によりこの局在化は抑えられる傾向を示した。以上の結果から、B添加材のDBTT上昇の原因は、Bの局在化及び炭化物の粗大化によるものと考えられる。B+N同時添加によりBは均一に分散したことから、中性子場の模擬試験材として使用可能である。

論文

Effect of initial heat treatment on tensile properties of F82H steel irradiated by neutrons

若井 栄一; 田口 富嗣; 山本 敏雄*; 加藤 佳明; 高田 文樹

Materials Transactions, 45(8), p.2638 - 2640, 2004/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.41(Materials Science, Multidisciplinary)

核融合炉構造材料の第一候補材料である低放射化フェライト鋼の照射硬化に及ぼす熱遍歴効果を調べた。本研究ではF82H鋼を用いて、焼きならしを1040$$^{circ}$$Cで30分行った後、焼きもどしの温度と時間を変数にして、照射前後の引張り特性変化を調べた。焼きもどしの条件は750$$^{circ}$$C, 780$$^{circ}$$C, 800$$^{circ}$$Cの各温度で30分の熱処理した場合と750$$^{circ}$$Cで30分から10時間まで変化させた場合の試料を用意した。照射はJMTR炉で約250$$^{circ}$$Cにて1.9dpaまで照射した。引張試験にはSS-3タイプの微小試験片を用いて室温から400$$^{circ}$$Cまで試験した。また、照射前の微細組織をTEM観察した。その結果、この低照射量域での照射硬化の変化は焼きもどしの温度の低下とその時間の短縮に伴って減少する傾向にあることがわかった。また、この照射硬化量の低下の原因は焼きもどしの温度と時間によって変化する固溶炭素濃度の低下によって生じる欠陥クラスター形成の減少と転位密度の増加による欠陥クラスターの成長速度の低下によると考えられる。

論文

Mechanical properties and microstructure of F82H steel doped with boron or boron and nitrogen as a function of heat treatment

若井 栄一; 佐藤 通隆*; 沢井 友次; 芝 清之; 實川 資朗

Materials Transactions, 45(2), p.407 - 410, 2004/01

 被引用回数:6 パーセンタイル:41.09(Materials Science, Multidisciplinary)

材料中に生成するHeが組織や強度特性に及ぼす影響を評価するために原子炉での熱中性子との$$^{10}$$B(n,$$alpha$$)$$^{7}$$Li反応を利用したB添加法がある。本研究ではFe-8Cr-2W-0.1C系のマルテンサイト鋼F82Hに約60ppmのBを添加させた材料と約60ppmのBと約200ppmのNを複合添加させた材料を作製し、その組織と強度特性を評価した。これらの試料の熱処理はBの偏析を防ぐために950$$^{circ}$$Cから1150$$^{circ}$$Cまでの数種類の温度で約30分間焼ならしを行った後、水中に急冷した。その後、約780$$^{circ}$$Cで30分間焼きもどしを行った。これらの熱処理後、各試料の組織やSIMSによってBやNの分布を調べるとともに、引張試験とシャルピー衝撃試験等を行った。B添加材とB+N複合添加材の引張特性は添加していない材料とほぼ同一であったが、衝撃試験では無添加材に比べてB添加材の延性脆性遷移温度(DBTT)が30$$sim$$70$$^{circ}$$C程度上昇したのに対して、BとNを複合添加した材料ではDBTTは上昇しなかった。また、この複合添加材ではBの偏りを抑えることができた。また、焼ならし温度によってもBの偏析分布やDBTTが変化した。以上の結果から材料中にHeをより均一に生成させるためにはBとNを複合添加し、1000$$^{circ}$$Cで焼きならしをした材料が最適であることがわかった。

論文

硫酸分解ガス環境で腐食した金属材料の高温引張特性

倉田 有司; 橘 勝美; 鈴木 富男

日本金属学会誌, 65(4), p.262 - 265, 2001/04

熱化学水素製造プロセス(ISプロセス)では、腐食性の強いハロゲン及び硫酸を取り扱う。そのため、材料の機械的特性に及ぼす腐食の影響を調べることが必要である。本研究では、850$$^{circ}C$$の硫酸分解ガス環境において1000hの高温腐食を行った材料を用いて、高温引張特性に及ぼす腐食の影響を評価した。腐食試験装置にN$$_{2}$$ガスと95%H$$_{2}$$SO$$_{4}$$(0.01mol/min)を流し、850$$^{circ}C$$で1000h、アロイ800H、ハステロイXR、インコネル600の強度試験片及び腐食試験片(短冊形及びU字曲げ)の高温腐食を行った。腐食は、表面腐食膜の形成、内部酸化と硫化からなる粒界侵食によって進行した。850$$^{circ}C$$での高温引張試験では、腐食後の材料の0.2%耐力、引張強さは、受入材の80%以上の値を示した。また、破断伸び、絞りも50%以上であることから、腐食による高温引張特性の著しい劣化は認められなかった。

論文

Microstructural evolution of Fe-Cr-W model alloys during Fe$$^{+}$$ ion irradiation

若井 栄一; 菱沼 章道; 阿部 弘亨; 高木 清一*; 安彦 兼次*

Materials Transactions, JIM, 41(9), p.1176 - 1179, 2000/09

鉄イオン照射下で高純度Fe-(18-50)Cr, Fe-50Cr-(5-8)W合金の組織発達と相変態挙動を調べた。薄膜試料を用いて、透過型電子顕微鏡内で300keVの鉄イオン照射を行い、組織の発達過程をその場観察した。また、時効した組織も同様に調べた。Fe-Cr合金では500$$^{circ}$$C照射で転位ループが観察されたが、析出物形成は観察されなかった。Fe-50Cr-W合金では照射によって、転位ループが形成したが、ラーベス相が550$$sim$$700$$^{circ}$$Cの範囲で形成した。低温側では1分程度でラーベス相が形成した。また、670$$sim$$800$$^{circ}$$C照射では$$sigma$$相が形成した。これらの析出物形成の原因を調べるために、粒界近傍の溶質原子の偏析を調べたところ、$$sigma$$相が形成されない温度ではCr濃度が低下し、W濃度が増加したが、$$sigma$$相が形成する温度ではこれらの濃度変化がみられなかった。他方、熱処理のみではラーベス相が短時間では形成しないことや700$$^{circ}$$Cで1000時間時効しても$$sigma$$相が形成しないことから、照射により引き起こされる局所的な濃度変化や拡散速度の上昇がラーベス相の形成を著しく促進させ、また、$$sigma$$相形成にも大きな影響を及ぼしたと考えられる。

論文

Characterization of Nb-1%Zr/SS304 joints fabricated by friction welding

土谷 邦彦; 河村 弘; 菊地 泰二

Interface Science and Materials Interconnection, p.455 - 458, 1996/00

摩擦圧接法は、異種材接合において最も一般的な接合方法である。JMTRにおいて、照射キャプセルの圧力バンダリのような構造物として、摩擦圧接法により製作した種々の材料とステンレス鋼との接合技術開発が行われている。ニオブは、低放射化材として有望視されている。本研究では、Nb1%Zr/SS304接合材を摩擦圧接法により製作し、その接合材の特性評価を行った。評価項目としては、引張強度、ねじり疲労、バースト、硬さ、金相観察及びXMA分析を行った。Nb1%Zr/SS304接合材の引張強度及び疲労強度は、Nb1%Zr合金母材の強度と同等な強度が得られた。また、破断部もNb1%Zr合金母材部であった。金相及びXMA分析から、反応層は小さく、各元素は接合部界面で変化した。以上の結果、摩擦圧接法により製作したNb1%Zr/SS304接合材は、十分使用できることが明らかとなった。

論文

Radiation damage of TiAl intermetallic alloys

菱沼 章道

Journal of Nuclear Materials, 239(1-3), p.267 - 272, 1996/00

 被引用回数:20 パーセンタイル:82.77(Materials Science, Multidisciplinary)

金属間化合物は優れた高温特性及び低密度、低放射化性などから原子力材料としても有力であると考えられているが、これまで照射損傷に関する研究は非常に少ない。ここでは、金属間化合物の照射感受性に関する最近の研究結果をまとめ、TiAl化合物の原子炉材料としての魅力を紹介する。TiAl金属間化合物では、中性子、電子照射実験によるミクロ組織の変化が金属材料に比べて非常に小さいこと及び照射後引張特性が劣化しないことが示された。これらの特徴は、限られたデータではあるが、TiAl化合物が照射に対して優れた特性を有することを意味しており、今後この種の規則性をもつ金属間化合物は将来の原子力材料として非常に有望である。

論文

In situ observation of damage evolution in TiC during hydrogen and deuterium ion irradiation at low temperatures

北條 喜一; 大津 仁*; 古野 茂実; 笹島 尚彦*; 出井 数彦*

Journal of Nuclear Materials, 239(1-3), p.279 - 283, 1996/00

 被引用回数:14 パーセンタイル:74.12(Materials Science, Multidisciplinary)

TiCは低温(~20K)照射において非晶質化し難い物質であるが、水素イオン照射では非晶質化が起る。これは水素とTiやCとの化学結合が再結晶化を妨げているためと考えられる。一方、重水素イオン照射では非晶質化は起こらない。これはトンネル効果による化学反応のし易さが水素と重水素とでは10~100倍異なり、この効果が極低温で現れたものと推論した。

論文

Effects of purity and Cr concentration on microstructural evolution in Fe-Cr alloys during electron irradiation

若井 栄一; 菱沼 章道; 加藤 康*; 高木 清一*; 安彦 兼次*

日本金属学会講演概要,1994秋期 (第115回)大会, 0, p.488 - 494, 1994/00

Fe-Cr合金の原子炉材料への応用において、主な問題は照射脆性と照射によって生じる延性-脆化温度のシフトである。本研究ではこれらの初期過程における転位ループの発達に対する純度の効果を明らかにするために、99.7%と99.99%の2種類の純度のFe-Cr合金を作製し、室温から773Kの温度において1MeVの電子を照射した。低純度のFe-Cr合金においては{100}面にa〈100〉のバーガースベクトルを持つ転位ループのみが観察されたが、高純度のFe-Cr合金においては{100}面にa〈100〉型と{111}面にa/2〈111〉型の2種類の転位ループが観察された。a/2〈111〉型の転位ループの成長速度は723Kより高温側で、a〈100〉型の転位ループより速く、それより低温側ではやや遅くなることが分かった。これらの結果は、転位ループの成長速度がバイアス効果にコントロールされているだけではなく、ループの安定性によってもコントロールされていることを示している。

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